サイバー保険の世界市場は2016年には掛け金で30億ドルだったが、2020年には100億ドルに達する見込みである。フランスでは、ジェネラリとアリアンズが企業向けに新商品を用意する。
ウェブサイト、ハードウェア、IoT、ドメイン、オートメーション、自動運転…。相互接続されているシステムは全てサイバー攻撃の対象に成り得る。PwC社が2016年1月に発表した調査では、この新しい犯罪にかかる費用は世界で約4000億ドル(3780億ユーロ)に上る。大量ロボット化の急速な進展によっては、今後五年で2兆に達する可能性もあるとしている。
この新しいリスクが認知されるにつれて保険の需要も増し、大規模保険会社にとっては巨大な潜在市場が開けつつある。「現在は移行期間です。今のところまだサイバーリスクは特殊なものだと思われていますが、ほぼ指数関数的に拡大しています」フランス保険協会会長ベルナール・スピツ氏は言う。「サイバー保険についてアメリカとヨーロッパの市場は非常に差がついています」。
新しい規則
フランスの再保険会社であるSCOR(前の商業再保険協会)の見積もりによると「サイバー」保険の掛け金の額は2016年に30億ドル程度で、うち90%はアメリカである。2020年には100億ドルに達するとみられる。ヨーロッパは第二の市場であるが、売上高は遥かに小さく、現在1億5千万から2億ドル程度と見られている。
しかし、欧州連合がデジタルに対応するために設定した新しい規則は状況を変えるかもしれない。2018年5月24日から施行されるデータ保護一般規則(RGPD)では、機関、特に利用機関の下にある個人的なデータの流出について、企業が通知することを義務付けている。結果的に、この件に関する罰金は、協会の世界の売上高の4%に達すると見られる。
「アメリカでは、2003年以降、徐々に規制によって、個人データの窃盗や流出について企業が通知することを義務付けられ、基本的には、そのために市場が拡大しました」とSCORのサイバーリスク担当ディディエ・パルソワルは言う。「通知の費用と違反の場合の罰金に備えて、企業は保険を掛けたいと望みます。さらに、公表はサイバー攻撃を見えるようにします。この規制の価値は、拡大するこのリスクについての注意を増すことにあったのです」。
豊富な商品
この規制を踏み台にして保険業界には楽観的な予測が広まり、2020年にはヨーロッパでのサイバー保険市場が四倍、場合によっては五倍になり、10億ドルに達するとされている。
保険会社は商品を増やしている。フランスでは、ジェネラリが大企業向けのサイバー保険を提供しているが、3月8日(水)からは、中小企業に対するデジタル保護事業を開始する。
アリアンズのほうは、一般的な損害保険に付加する形でサイバーリスク保障を統合し、来月から商品化する。
多国籍企業、特に最もリスクのある業界(銀行・医療・大規模小売など)については、既に対策が進んでいるが、中小企業についてはまだ市場はほとんど開拓されていない。「フランスでサイバーリスクに対して保険をかけている中小企業は1%以下です。経営者たちの関心は高まっています。従って、わたしたちはこの方面でも調査をしていますが、まだ実際の購入はほとんどありません」とアクサ・フランスで企業の火災・事故・その他のリスクを担当するジャン‐リュック・モンタネは言う。サイバーリスク保障は2014年末に始まったが、顧客企業はまだ300に少し足りない。
「途方もない強度」
個人データを更に保護する法制のほかに、サイバー保険を離陸させる要因として企業のデジタル化がある。経済のロボット化や自動運転車は人的ミスによるリスクを減らす。同時にPwCによれば「サイバーリスクの保障は大部分の保険証券の基本的な柱の一つになるだろう」。
保険会社は、まず、工場が「ハッキング」されて食料品の汚染や火災の原因になるというような、破滅的なシナリオを考える。「リスクは途方もない強度かもしれません。人身被害も有り得ます。今後、業界はこの点について良く考える必要があるでしょう」とイスコクスの加入担当者アトスリド‐マリ・ピルソンは予測する。
その観点では、「リスクがより良く理解されてモデル化される条件の下で、再保険のもっと精巧な形態が出現するでしょう。大切なのは、顧客ポートフォリオの最も重要な部分に影響する『破滅的』な種類のリスクから、保険会社を守ることです」とディディエ・パルソワルは言う。アリアンズ・フランスの財産責任保険技術担当のフランソワ・ネデによれば「サイバーリスクに関連する民事上の責任の保証を義務付けることは、これらのリスクの相互扶助を可能にします。結局はこれは良いことでしょう」。
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日本でもたまに話題になるけど、こういう話は具体的にどのような事態を想定しているのか、今のところ見えにくい。例えば、多分、「炎上保険」なんかでは、炎上の後始末や、ネット上のアホどもを訴追するための費用なんかが賄われるんだと思うけど。
折しも昨夜はWBCでホームランのボールをキャッチしたとかいう少年が写真を撮られてデマも含めて大炎上していたらしい。ツイッターもだし、マスコミもだし、こういう事態に保険があったとして、どういう防御を保険会社が講じてくれるのか。被害額の算定とか難しい気もする。そのうち個人向け炎上保険も必要になるだろう。
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