「手紙は絶滅危惧種だが、これは最近の現象ではない。70年代から「自宅電話」の普及により郵便の市場は縮小した。しかし、特にこの10年、メールとSMSのために手紙の落ち込みが激しい。2007年には郵便局は180億の手紙を扱った。今日では110億まで落ち込んでいる。具体的にはこれは年5-6%の減少に相当し、郵便局にとっては一年に9億の郵便料金と毎年5億の収入の喪失となる。」
「しかし、このような低下は全く収拾のつかないものである。郵便局はどのような抵抗を試みているか?」
「欠損を埋める為に料金を大幅にあけるという選択をした。というのも実際切手に関しては赤字を出すわけにいかないからだ。いわゆる全国サービス、国との契約に基づく公共サービスという使命は切手代によって賄われている。例えば、一週間に6日の収集と配達、郵便局・商店の受付・役所による全地域での郵便の存在、全国均一の料金(近隣地域あてでもコルスあてでも、またはフランス国内で10km離れていても1000km離れていても手紙の料金は同じ)などがある。」
「ということは、郵便料金がどんどん高くなっているのは、この全国サービスの維持のためなのか?」
「その通りである。手紙は全国サービスを維持するために高級品になりつつある。赤切手は1月1日現在(ほぼ)0.95€となり、10サンチームの値上げで、5年が58%値上げされたことになる。これだけの短期間にこれほど上昇した商品は他にない。緑切手のほうは7サンチームの値上げで80サンチームとなったが、郵便局はこの選択を完全に受け入れる。郵便局によれば、切手をタダにして何も払わないことにしてもいいが、それでは郵便制度は維持できない。これは文化的・構造的な問題である。インターネットと新技術があるのに、今、誰がペンと紙束を確保して、書いて、封筒を見つけて、切手を買って、郵便ポストを探す手間をかけるか?市場が縮小傾向なのは避けられない。それに、独占事業ではないものの、他に競争者が存在しない。これは間違いない兆候である。」
「ということは、わたしの理解が正しければ、これは既に負けの決まった戦いなのか:紙の手紙さようなら、いずれ破綻すると。」
「その通り。希望はほとんどない。しかし郵便局は諦めていない。郵便局は没落を阻止しようとしている。まだニッチが残っているからだ。例えば、配達記録、招待状、新聞宅配、更に季節の挨拶状と郵便はがきは季節によるが、平均してフランス人は年に7通出す。郵便局は郵便に付加価値を付ける事も試みている:例えばオンラインで手紙を書いて配達人のほうで封書にして配達することもできるし、自分の写真で切手を作ることもできるし、三月からは40サンチームの追加料金でバーコードを手紙に貼って追跡する事が出来るようになる。安心材料として郵便局では、商品が少なくなればなるほど、価値が高く貴重になると考えている。これが郵便の行きつく先であり、数年後、あなたは手書きで送られた手紙を開けて、それだけの労力を投じた友達に驚くことになるかもしれない。」